臨床ガイド医師のキャリア検査データ家庭医療
📅 当直シフトナビ ↗🏥 クリニックHP ↗

急性心不全|症状・検査/診断・治療

10秒サマリー

  • **定義:**心不全症状の急激な悪化により、緊急の加療を要する状態。
  • **初期評価:**クリニカルシナリオ(CS)を用いて「血圧」で即座にトリアージする。
  • **病態判断:**Nohria-Stevenson分類(Wet/Dry, Warm/Cold)で、うっ血と低灌流の有無を評価する。
  • **治療:**血圧高値なら血管拡張薬、うっ血なら利尿薬、低灌流なら強心薬・補助循環を検討。

急性期トリアージ:クリニカルシナリオ(CS)

来院直後の収縮期血圧(SBP)に基づき、即座に病態を推定して治療を開始する。

分類 SBP (mmHg) 主病態と初期対応
CS 1 >140 **後負荷増大型(肺水腫):**血管拡張薬(ニトロ等)とNPPVが優先。
CS 2 100〜140 **体液貯留型(全身浮腫):**ループ利尿薬が主体。ハンプの併用も検討。
CS 3 <100 **低心拍出型:**強心薬。ショック時は昇圧薬や補助循環(IABP等)を検討。

※CS 4は急性冠症候群(ACS)、CS 5は右心不全として個別に介入する。

病態の精査:Nohria-Stevenson分類

身体所見から「うっ血(Wet/Dry)」と「低灌流(Warm/Cold)」の有無を判断し、治療を最適化する。

  • **Wet(うっ血あり):**起座呼吸、頸静脈怒張、下腿浮腫、肺ラ音。
  • **Cold(低灌流あり):**四肢冷感、意識レベル低下、乏尿、脈圧の短縮。
Dry(うっ血なし) Wet(うっ血あり)
Warm(低灌流なし) Warm-Dry:代償期(治療継続) Warm-Wet:血管拡張薬・利尿薬
Cold(低灌流あり) Cold-Dry:容量負荷・強心薬 Cold-Wet:強心薬・利尿薬・補助循環

初期検査のポイント

  • **胸部X線:**バタフライシャドウ(肺水腫)、胸水。
  • **心エコー(POCUS):**IVC怒張の有無(うっ血評価)、LVEF(収縮不全の確認)。
  • **血液検査:**BNP/NT-proBNP、乳酸値(組織低灌流の指標)、心筋トロポニン。

急性期薬物療法の詳細(投与・調整マニュアル)

急性心不全の薬物療法は、効果発現が速い「静注薬」による細かい調整(titration)が基本となる。血圧、心拍数、尿量、呼吸状態をリアルタイムで監視しながら増減を行う。

1. 血管拡張薬:CS1・CS2(SBP > 100)の主役

心臓への「戻り(前負荷)」と「送り出しの抵抗(後負荷)」を減らし、肺うっ血を改善する。

  • ニトログリセリン(ミオコール、ミリスロール等):
    • **特徴:**即効性・短時間作用型。主に静脈拡張(前負荷軽減)だが、高用量で動脈拡張(後負荷軽減)も行う。
    • **投与法:**0.5〜10 μg/kg/min。50mg/100mL製剤を用い、1〜2 mL/h(約0.2〜0.4 μg/kg/min相当)から開始し、血圧を見ながら数分おきに増減する。
    • **注意:**右室梗塞例、肥大型心筋症(HOCM)、重症大動脈弁狭窄症には禁忌。
  • カルペリチド(ハンプ):
    • **特徴:**ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)製剤。血管拡張に加え、利尿作用、レニン・アンジオテンシン系抑制作用を持つ。
    • **投与法:**0.0125〜0.05 μg/kg/minで開始。最大0.2 μg/kg/minまで。
    • **注意:**血圧低下が遷延しやすいため、低血圧(SBP < 90)時には速やかに中止する。

2. 利尿薬:うっ血改善の要

体液貯留(Wet)を解除し、心不全症状を取り除く。

  • フロセミド(ラシックス):
    • **投与法:**まずは20〜40mgをボーラス静注。反応が乏しければ倍量投与、または持続静注(1〜10 mg/h)へ移行する。
    • **注意:**低カリウム血症、脱水による腎機能悪化(体液量不足)。
  • トルバプタン(サムスカ):
    • **特徴:**水利尿薬。電解質排泄を伴わず水のみを出す。
    • **投与法:**3.75〜7.5mg 1日1回経口。ループ利尿薬との併用が原則。
    • **注意:**自由水のみが出るため、高ナトリウム血症に注意。口渇が強い場合は飲水を許可する。

3. 強心薬・昇圧薬:CS3・Cold症例の救急薬

心収縮力を高め、重要臓器への血流(灌流)を維持する。

  • ドブタミン(ドブトレックス):
    • **特徴:**β1刺激薬。心収縮力を高めるが、血管拡張作用(β2)も併せ持つ。
    • **投与法:**2〜5 μg/kg/minで開始。最大20 μg/kg/minまで。
    • **注意:**心拍数増加による酸素消費量増大、心室性不整脈の誘発。
  • ミルリノン(ミルリーラ):
    • **特徴:**PDEIII阻害薬。β受容体を介さず、細胞内のcAMPを増やすことで「強心作用」と「血管拡張作用」を両立する(Inodilator)。
    • **適応:**β遮断薬常用者の急性増悪時に第一選択となる。
    • **投与法:**0.25〜0.5 μg/kg/min。腎排泄のため、腎不全例では減量・間隔延長が必要。
  • ノルアドレナリン:
    • **特徴:**強力なα1刺激。心原性ショックでSBP < 80〜90を維持できない場合に使用。
    • **投与法:**0.05〜0.3 μg/kg/min。中心静脈路(CV)からの投与が原則。

resi Dr.の眼(Pitfalls・匙加減)

  • **「ハンプかニトロか」:**SBP > 140で呼吸苦が強い(肺水腫)なら、より動脈拡張力の強い「ニトロ」が速効。SBP 110〜130程度で全身浮腫が目立ち、腎機能も守りたいなら「ハンプ」が使いやすい。
  • **β遮断薬を飲んでいる患者の強心薬:**メインテートなどを飲んでいる患者にドブタミン(β1刺激)を入れても、受容体がブロックされていて効きが悪い。この場合は受容体を介さない「ミルリノン」を検討する。
  • **尿量が出ない時(Diuretic Resistance):**フロセミドを増量する前に、心拍出量が保たれているか(Coldでないか)を確認する。腎血流がなければ利尿薬は届かない。その場合は少量の強心薬やハンプで腎灌流を上げるのが先決。
  • **NPPVの早期導入:**酸素投与で改善しない呼吸困難に対し、気管挿管を避けるためのNPPV導入はエビデンスが非常に高い。
  • **右室梗塞での禁忌:**右室梗塞による急性心不全では、ニトロ等の血管拡張薬は禁忌(前負荷が下がりすぎてショックになる)。CS5の病態を疑う。

参考文献

  • 2025年改訂版 心不全診療ガイドライン
  • JRC蘇生ガイドライン2020

都道府県別・転職サイト別 求人数

循環器内科エムスリーキャリア業界最大手。
転職市場の基準を知るため
まず登録すべき王道サイト。
マイナビDOCTOR情報収集力に強みあり。
丁寧なサポートにも定評。
じっくり相談したいなら。
民間医局転職後のサポートも充実。
独自の福利厚生サービスも。
長期的な視点で選ぶなら。
医師転職ドットコム公開求人数は業界随一。
圧倒的な選択肢の中から
最適な担当者を探したい方に。
リクルートドクターズキャリア40年の実績を誇る老舗。
好条件の非公開求人も魅力。
キャリアアップを狙うなら。
北海道453163718742
青森県521215128
岩手県331111194
宮城県13733272310
秋田県1626111
山形県41718136
福島県8316182113
茨城県14363383218
栃木県85239215
群馬県12743353315
埼玉県531255768842
千葉県414118566033
東京都111852911216048
神奈川県612275917327
新潟県10922291912
富山県2061341
石川県42112072
福井県289921
山梨県266494
長野県7029242410
岐阜県7129191113
静岡県202107392919
愛知県223229568729
三重県64271876
滋賀県33111354
京都府10053512110
大阪府5072531207940
兵庫県2301261014536
奈良県57281695
和歌山県3212541
鳥取県194473
島根県167362
岡山県12032331712
広島県13445512621
山口県7225182217
徳島県406465
香川県661520147
愛媛県7135212711
高知県38818162
福岡県24090799127
佐賀県17618122
長崎県491541268
熊本県8133173210
大分県6925261910
宮崎県711112147
鹿児島県8030172716
沖縄県12729302318

※ 2026-03集計。科名はサイトにより異なる場合があります。最新情報は各サイトでご確認ください。

↓ 他の診療科も見てみる ↓

DR.DATABASE

あなたに一番合う転職サイトはどれ?
診療科ー都道府県別に転職サイトの求人数を比較